ゼーガペイン

積まれていた物を消化中。(ネタバレあり)

人類が謎の滅亡を遂げた後、量子コンピュータ内に自らをデータとして待避し、永劫回帰する日常を生きる人々。その輪廻の輪から、ほんの少し抜け出す事を許される代償として、現実世界のサーバを守る責任を自ら負うセレブラントと呼ばれる人達。そして謎の敵(まだ17話なので、ホント謎です)

自分達がデータに過ぎないことへの気づきに目覚めたセレブラントたちが一様にそれでも自分達は生きていると独白するあたり、ペンローズが聞いたら「この強いAI論者め!」と目を剥きそう?

でも見てもらえばわかると思うけど、本作はSFとしてフィクション(もしくは仮説)をおいたサイエンスの中で、ノンフィクションな人間を生き生きと描ききっているのですよ。近年こういう古典SFは希少だし、しかもネタがやたらと新鮮で意外と深い!

ゲーデルの定理は可算濃度のアルゴリズムで構成されるシステムが自らの正当さを示すことができない事を示しているが、果たして量子コンピュータ内の「アルゴリズム」と呼ばれるものは既存のテューリングマシンと同等の能力・濃度をしか持たず、同じく、ゲーデルの定理に従うのだろうか?

アニメ見ながらそんな妄想をかきたてられました。

ペンローズも、脳の深遠では量子的な効果が数学者が神の書物に触れるための何らかの役割を負っていると仮説しているわけで、未だ無い量子コンピュータに強いAI論者の夢を見せるのは、あながち的外れでは無いのかもしれないですね。